相続手続きの基本的な流れ、遺言書がない場合の相続4つのポイント解説 

みなさま、いつもありがとうございます。
相続手続き代行の相続モールです。

今回は相続手続きを行う際の流れにについて解説していこうと思います。

相続手続きの基本的な流れ

その1 遺言書が有るか無いかの確認
金融機関の相続手続きにおいても不動産の相続手続きにおいて遺言書の有る無しで相続手続きの方法が変わってきます。
そこでまずは、亡くなられた方が遺言書を残しているかいないかを確認しましょう。

遺言書を探す方法は

自筆証書遺言の場合
2020年7月からは、民法の改正により法務局での保管制度も新設される自筆証書遺言ですが、現在のところそのような保管制度はありませんので、亡くなられた方が自筆証書遺言を残しているかいないか、わからない場合はとにかく心当たりを探すしかありません。
仏壇や、故人が大事なものをしまっていた引き出しなど可能性のあるところを探しましょう、弁護士や税理士、司法書士、行政書士などの名刺が出てきた場合は電話をかけて問合せ見ると良いかと思います。
もしかすると士業が預かっているかもしれません。
私が聞いた事のある発見場所ですと他に玄関などのマットの下にあったという方もいました。

公正証書遺言の場合
公正証書遺言であれば、公証役場にて検索をかけることが可能です。
平成元年以降に作成されたものであれば全国のどの公証役場で作成されたものであっても無料で検索することができます。
検索をかけて、公正証書遺言が保管されている公証役場がわかれば、その公証役場にて公正証書遺言の謄本などを取得することができます。
遺言を作った方が亡くなった場合のみ法律上の利害関係者(法定相続人など)はこの謄本を請求することが可能です。

相続手続きの流れ1 まずは遺言の有無を確認しよう
遺言書が遺産分割完了後に発見されると争いの火種になり得ますのでまずはしっかり遺言の有無を確認しましょう。

その2 次は法定相続人の確認
遺言書がない場合は、遺産分割協議という協議を開いて遺産分割の方法を確定します。
この遺産分割協議による遺産分割はその分割方法にすべての相続人が同意しなければ成立しません。
3人の相続人がいたとすると、二人が納得していても残る一人がどうしても嫌だといえば、その分割方法では相続手続きを進める事ができません。

法定相続人の調べ方

誰が法定相続人になるかは、亡くなられた方からみて、戸籍上の続柄によって順番が決まっています。
まず、亡くなった方からみて夫や妻などの配偶者は必ず相続人になります。
離婚した元妻や夫は相続人にはなりません。
配偶者は必ず相続人になりますので、配偶者がいれば配偶者と子ども、配偶者と親、配偶者と兄弟姉妹というパターンになります。
配偶者がいない場合は、子ども、親、兄弟姉妹とこの順番で相続人になります。
子どもがいれば親、兄弟姉妹は相続人にはなりませんし、子はいなくとも親がいれば兄弟姉妹は相続人にはなりません。
この様な法定相続人を調べるにはまず亡くなった方の戸籍を取得しそこからその方の出生までさかのぼって除籍、原戸籍などを取得して相続人を確定する作業を行います。

集めた戸籍類は相続手続きで使います

相続人を確定するために戸籍を集めてくださいとお伝えすると、そんな事せんでもわかってる、という方もいますが亡くなった方の戸籍類はその後の相続手続きにおいて、法務局はもちろん、どの金融機関の相続手続きでも必要になりますので、わかっていても集めましょう。
集めていくと色々と分かってきます。
たまには思わぬ養子がいたりして相続人が増えるなんてこともありますし、私は自分の父の相続手続きの際に集めた戸籍で、曾祖父の名前が孫太郎だと知れたりしました。

その3 法定相続人の確定に並行して遺産目録を作りましょう

不動産の確定方法

上記の法定相続人の確定に並行して、遺産を確定します。
不動産であれば、法務局にて登記簿謄本を入手しましょう。
土地の地番や建物の家屋番号がわからない場合は先に、住所地の市町村役場にて固定資産税の評価証明書を取得しておきましょう。
固定資産税の評価証明書には不動産の評価額がでているので、遺産分割協議時に価格の参考になります。

金融資産の確定方法

亡くなられた方の通帳などを確認して該当する金融機関にて残高証明書を取得しましょう。
これらの手続きは亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍は必要なく法定相続人が個人で請求できますので、法定相続人である自分と亡くなられた方の関係性を示す分だけの戸籍などで、法定相続人だと証明できれば取得できます。

遺産目録にまとめましょう

亡くなられた方の財産に関する資料をしっかり集めて財産目録としてまとめましょう。
次はいよいよまとめた財産目録に基づいての遺産分割協議です。

その4 遺産分割協議を行いましょう
遺産分割協議は遺産の分け方を決める話し合いですが、前述のとおり法定相続人が全員参加してその分割案に同意しなければ成立しません。
法定相続人にはそれぞれ法律で決められた法定相続分という決められた遺産の取り分がありますが、遺産分割協議で決定できれば、法定相続分とは違う遺産の分配も可能です。
全員参加しての部分ですが、実務上はいろいろな方法がとられています。
個別に電話などで話し合って協議書にまとめそこへ全員が署名と実印による押印を行い印鑑証明書をつけるケースなどもあります。
全員が一堂に会するのが大変な場合が多いと思いますのでいろいろな方法を検討しましょう。

遺産分割協議の成立に必ず必要なものは

遺産分割協議の成立に必ず必要なものは
○法定相続人全員の同意
○法定相続人全員の署名
○法定相続人全員の実印による押印
○法定相続全員の印鑑証明書
○遺産分割協議書or遺産分割協議証明書
となります。

遺産分割協議書と遺産分割協議証明書の違い

これらの違いは、遺産分割協議書は同じ書類に法定相続人全員が署名押印するのに対し遺産分割協議証明書は全員分の証明書に法定相続人がそれぞれに署名・押印します。
遠方に法定相続人が多くいる場合などには遺産分割協議証明書が便利かと思います。

協議がまとまればいよいよ相続手続きです。
金融機関の相続手続き不動産の相続手続きを行っていきましょう。
どこからすればいいという順番は特にありませんが、書類をそろえた後の話で言えば、銀行やゆうちょ、法務局の手続きは割と早い印象ですが証券会社や株式、投資信託などの手続きは時間がかかります。
相続後のことも踏まえて計画的に行いましょう。

遺言書がない場合の相続は、すべての相続人の協力関係が非常に重要です。ひとりでも遺産相続方法に異議をとなえる相続人がいると話合いにより相続手続きを完了させることができず裁判所を介した遺産分割を検討する段階になります。