相続手続き代行を頼まない、自分でやってみる金融機関相続2

相続手続き代行を頼まない 自分で金融機関の相続手続をやってみよう

代行に頼まない自分で挑戦
第二回 相続する財産によって準備するものも変わる?

前回、金融機関にある相続財産の手続きをするために共通する最低限必ず必要になる書類などのお話をしました。
今回は実際に金融機関に手続きをする最初の書類、「残高証明書」についてお話をしていきましょう。

残高証明書を手に入れよう

残高証明はいろいろなところで役立ちます
前回、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍を取得していくお話をしました。その戸籍謄本の中でもご自身の現在のことが書かれている戸籍と亡くなられた方の死亡が記載されている戸籍謄本の二通があれば親子関係の相続では残高証明書のみであれば取得が可能です。
これは口座名義人が亡くなられていることが戸籍で把握できて、かつその子供であることがわかれば相続人であることが推定されるからかと思います。ですので、兄弟姉妹などの相続順位が低い相続人や遺言書によって相続人ではない人が遺贈を受ける場合などではその人が相続財産を受けることができるのかが戸籍だけでは判断できないので、亡くなった方に子供がいないことがわかる戸籍や遺贈することが書かれている遺言書などが必要になります。

相続財産の確認にも便利

銀行 相続
この残高証明書は銀行などであれば特に口座を必ず指定する必要はありません。「たしかこの銀行に口座を持っていた気がするけど通帳などが無くてはっきりしないなぁ」といった場合でも請求することができます。ですので、通帳がある銀行に残高証明書を請求したところ、亡くなった方がこれまで○○支店でも口座を作っていたり、その後転居した先の近くの○○支店でもまた口座を作っていたりして数口座見つかるようなこともあります。そういった口座の多くは数百円といったことが多いですが、はっきり口座がわからない場合でもこのように把握できるので非常に便利です。
たまにどこにどれだけの財産があるかわからないので、確認する方法はないものかと思われる方もいらっしゃいます。不動産では各市町村に所有している不動産がある場合は各市町村で「名寄せ」を行うことにより対象の市町村にある不動産を全て記載した書類をもらうことができます。
しかし、金融機関にはこういった名寄せといったものはありませんので、最低限この銀行に口座があった気がするなどの情報を頼りに各銀行から残高証明書を取得する方法しかありません。
残高証明書は相続人が複数いる場合などではどこにどれだけの相続財産があるのかを全員が共有できるように財産目録を作成することが望ましいので、そういった場合にもこういった証明書があると作成が容易になります。
さらに相続税が発生する場合などでは相続税の申告に残高証明書が必要になりますので取得しておくことで手続きをスムーズに運ぶことができます。
残高証明書を請求する際には証明する日付を指定する必要がありますが、こちらは亡くなった方の死亡日を記載すれば問題ありません。

信託銀行にある株式については少し特殊です

次回お話する信託銀行に預けられている株式などの場合、残高証明書を利用してどんな株式がどれだけあるのかを確認するという手段が取れません。こういった信託銀行にどれだけの株式があるかを確認する場合には財産を照会してもらう別の手続きをまず行い、その手続きを経て、どういった株式があるのかを確認したのち、その株式の証明書を取得することになりますのでお日にちがかかってしまいますので注意しましょう。
特にこの照会手続きには最長で2カ月かかる信託銀行もありますので、こういった財産がある場合には早めに取得していくことが大切です。

場合によっては取得しなくてもいいかもしれません

今回、金融機関から取得する最初の書類である残高証明書についてのお話をしました。
これだけお話をしましたが、相続人が一人のみ、もしくは相続人は複数人いても一切揉めるようなことはない、不信に思われることがない、かつ相続税の申告も必要ない場合などでは取得する必要はありません。
しかし前回も少しお話しましたが、金融機関の口座名義人が亡くなったからと言って口座は自動的に凍結されません。ですので身の回りの世話をしていた相続人などでしたらカードも管理していて死亡日以降の出金などもできます。その出金が葬儀費用であったり必要な出金であればよろしいですが、そうではない可能性もあります。また、逆にあらぬ疑いを抱かれる場合もあります。ですので相続税の申告をする必要がないからといって残高証明書はいらないとは限らないのです。

次回はさらに詳しく相続財産の種類からみる相続手続の違いについてお話していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。