「3無い」相続手続き、登記がない、遺言がない、協議がまとまらない

「3無い」相続手続き、登記がない、遺言がない、協議がまとまらない

みなさま、こんにちは遺産相続手続き代行のオールサポート相続モールです。
本日は、3つの「無い」にかかわる相続手続きについてお話しします。

まずは、未登記の不動産の相続登記等についてお話したいと思います。

未登記の不動産として良くみられるのがリフォームなどで増築した建物の増築部分や、物置などです。
また私道なども良くみられます。

これらは固定資産税の課税明細書に記載されているので確認することができます。
この固定資産税の課税明細書は毎年各市町村から送付されますのでその書類が残っていれば確認することができますし、紛失してしまっていても市町村役場で請求すると取得する事ができます。

ただし、注意点があります。土地で30万円未満・建物で20万円未満の物件については固定資産税が課税されないためこの固定資産税の課税明細書では確認することができません。

土地で30万円未満、建物で20万円未満の物件を所有している場合または固定資産税の課税明細書がそもそも送られてこない場合は被相続人が所有していた不動産の相続手続きに漏れを発生させないためにも、名寄帳などを取得して確認してみましょう。

そして確認できた不動産の遺産相続の手続きですが登記されているものは、相続登記を行えば相続登記の情報が各市町村へ伝達され相続手続きが完了となります。
未登記の家屋については、各市町村所定の書類に一定の書類を添付して申出ることで相続手続きが完了します。

一定の書類とは相続人と被相続人の関係性が分かる戸籍謄本のコピー、相続人の印鑑証明書、遺産分割協議書または遺言書のコピーなどとなります。

まとめ、未登記の不動産も相続できる

ここまでは登記されていない不動産についてみてみましたが、次に遺言書がない場合の不動産、相続手続きはどうでしょうか。

親は遺言書を残してくれたか-遺言書の有無の確認

なんとなく相続について気になる事があっても、親に対して「相続の事どう考えてる?」「遺言書作っといてや」などとはとても言い出しづらいものです。
お墓の話題なども「縁起が悪い」と言われてしまいますが「相続」の話題も同じです。

本当は、しっかり話しておくべき大切な話なのですがそんな話程話しづらいものですね。

さて親の方もなかなか遺言書作ってあるからとは、言いだしにくい場合も多々あるかと思います。
そんな時は遺言書があるかないかはどう確認すればいいのでしょうか?

探し方は遺言書の種類によって違います。

自筆証書遺言の有無の確認

自筆証書遺言というのは、全文を自筆で書く遺言書で、遺言者が一人で作成することが可能です。
という事は、誰にも知られずに作成することが可能なのです。
となると、探すのは一苦労、生前に親がよく大切なものをしまっていたところを探してみたり、銀行の金庫を借りていないか調べて中をあけてみたり、何か専門家に頼んだ形跡、封筒や領収書などがあればその専門家へ確認をとってみたりするしかありません。
作成したものの、見つからないというリスクがあるのも自筆証書遺言の特徴です。
探し方としてはとにかく思い当るところを探してみるしかありません。

公正証書遺言の有無の確認

自筆証書の遺言と違い公正証書遺言は、公証役場で作成しますので原本が公証役場に保管されていますので公証役場で検索することが可能で作成されていれば確実に発見することができます。
公正証書遺言検索
まず相続人がこの公正証書遺言の検索を行える前提として遺言を作成した人が既に亡くなっているという事、昭和64年以降に作成された事が前提となります。
遺言者が存命の場合はたとえ子どもでも検索することはできません。

手順は以下の通りです。
1 戸籍謄本などで遺言者が死亡したことを証明出来るようにして本人確認資料を持ってお近くの公証役場へ出向きます。
2 そこで公正証書遺言の紹介を依頼します。
3 紹介を行い公証人が紹介者に対して公正証書遺言があるかないかとある場合は保管している公証役場を教えてくれます。
4 保管されている公証役場へ赴き、公正証書遺言の謄本を請求します。

これで公正証書遺言の有無を確認することが可能です。
いろいろ探してみたけど遺言書が無かった場合

遺言書をいろいろ探してみてやはりなかったという場合は遺言書なしでの相続手続きを行う事になります。
遺言書が無い場合の相続手続きの基本は話合いです。
相続人が全員で遺産分割協議という話合いを行ない相続財産の分け方を決めていくことになります。
相続人が一人でも同意しない遺産分割協議は無効となりますので、ここでもめてしまい分け方が決まらない場合には、調停や審判を行う必要が出てきてしまいます。

分割協議の注意点・相続財産の中でも不動産は分けづらい

誰がどのくらい相続財産を相続することができるかという基準は民法に規定されていて、それぞれ法定相続人や法定相続分を呼ばれています。
この法定相続分は二分の一などの数値で定められているのでこれを参考に話合いを行うとすると不動産はとても分割することが難しい相続財産となります。
お金や金融資産なら簡単に二分の一が分かりますので話合いもしやすいのですが、不動産の場合はなかなか難しく二分の一ずつ登記を行う事ももちろん可能なのですが、あとあとさらに相続が発生していくと権利関係がややこしくなってしまったり、その分をお金でほしいなどの相続人個人個人の希望もありで、ここが遺産分割協議が難航してしまうポイントの一つです。

相続発生時の不動産の分け方4つ

現物分割という方法
これはシンプルに遺産分割協議により誰か特定の相続人に決めてその相続人がその不動産を相続するという形です。
Aさんが当該不動産を相続することになって場合にはその相続手続き完了後はその不動産の名義はAさん単独になります。
換価分割という方法
この方法は相続財産である不動産を売却しその売却して得たお金を相続人で分ける方法です。
不動産をお金に変えて分割するので当然ですがその不動産は無くなります。

代償分割という方法

この方法は現物分割と似ていますが単独で相続した相続人が、他の相続人の持分に応じた代償金を支払うという点で違います。
Aさんが単独で相続するので相続手続きの完了後は当該不動産の名義がAさんになるという結果は現物分割と同じですが、その他の相続人例えばBさんやCさんにその持分に応じた金額を支払う必要があります。
共有分割という方法
この場合は名義だけを分割しますので相続手続きの完了後には、相続人がAさん、Bさん、Cさんの場合この3人がその不動産を共有することになり名義も3人の名前で登記されます。

参考記事 不動産の相続方法4種類と必要書類
遺言書が無い場合は、相続手続きを完了するためには不動産についてこのような分けたを念頭にどうするか、相続人全員で納得して決定する必要があります。

まとめ 遺言がない場合は相続人全員で話し合い

では、話し合いがまとまらない場合は

相続手続き・遺産分割協議がまとまらない場合

次に遺言がない場合の相続手続きを行う前提となる遺産分割協議がまとまらない場合どのような手続きになるのかをお話します。

まず人が亡くなった場合その人が持っていた可分債権、イメージとしては分ける事のできる相続財産は、相続の開始とともに各共同相続人が相続分に応じて当然に分割取得すると解されています。(昭和29年の判例)

これは相続が発生した場合、亡くなった人の財産は遺産として共同相続人全員で共有しているという意味です。
そこから誰がどの財産を承継するのか決めて共有状態を無くすための話し合いが遺産分割協議です。

この遺産分割協議が揉めることなくうまくまとまった場合は、その内容を明らかにしておくために遺産分割協議書を作成します。
相続の内容を明らかにした書類なので、法務局や税務署、銀行などでの相続手続きにおいても添付書類として遺産分割協議書は必要です。

ここで少し話がそれますが、この協議で決定した内容を守らない者がいた場合どうなるでしょうか、遺産分割協議の合意が守られなかったとしても、遺産分割協議を債務不履行で法定解除することはできません。
解除するには法定相続人全員の同意が必要です。

話しを元に戻しまして、遺産分割協議がまとまらない場合は、遺産分割の調停という方法があります。

遺産分割調停を行う場合というのは。協議がまとまらないまたは、協議が行えない場合などです。
各共同相続人が家庭裁判所に請求することができます。
審判の申し立ても可能ですがほとんどの場合家庭裁判所の職権で調停にされます。

遺産分割調停の流れとしてはまず相続人の範囲や遺産の範囲を確定します。
その財産が相続財産なのかという点からすでにして争いがある場合は、家庭裁判所で対応する範疇ではない様です。

相続人・相続財産を確定しその後、遺産の評価、特別受益、寄与分の主張を踏まえた分割方法についての合意形成を図ります。

遺産分割の調停が成立した場合は調停調書が作成され確定した審判と同様の効力(執行力を有する債務名義=強制執行可能な文章)を有する文章となります。

調停が成立しない場合はまたは成立した合意が相当でない場合は調停委員会が調停不成立で事件を終了させます。
この時点で審判に移行します。

基本的に審判に移行する分割対象財産から可分債権は除かれますが相続人全員の同意があれば可分債権を審判に移行させることも可能です。

このような流れになります。

遺産分割協議の申し入れを行っても参加しない相続人がいる場合など、相続人が一人でも欠ける遺産分割協議は成立しても無効になりますので、協議が開けなくて困っている場合などは遺産分割の調停も視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。

調停に関して家庭裁判所に申し立てる手続きは司法書士が代理で行う事がきます。
調停に弁護士が必要かどうかは本人が決めることですが、まずは当事者同士の話し合いでという裁判所の調停に関する姿勢を鑑みれば本人同士がいいのかもしれません。